人間・演劇・からだとことばのレッスン(竹内敏晴)・野口体操(野口三千三)の研究と実践、ワークショップの開催、草野心平・宮澤賢治作品朗読劇制作・身体・声・心・言葉・朗読・身体表現

野口体操

からだ・こころ・ことばのレッスンの身体観は『野口体操』を土台にしています。

『野口体操』は、野口三千三氏(東京芸大教授 1914~1998年)によって創作実践されたものです。
その独自の身体・人間観は、深甚な人間理解に通じ、体育・健康・医療関連よりもむしろ、アート(演劇・舞踏・ダンス等)や教育・身体哲学の分野に大きな影響を残しました。

私(瀬戸嶋)自身は、1981年より1987年にかけて野口体操教室に参加し野口先生に教えを受け、野口先生亡き後の二十数年は「野口体操とは何か?」と云う私自身の中での問いかけの時間となりました。その過程、丹田呼吸法・禅・ヨガなど様々な身体技法との出会いも交えながら、長きにわたる野口体操の咀嚼吸収を経て、最近ようやくその内化に到ったたように感じています。

2011年7~10月にかけて、私自身の云わば私家版『野口体操』の検証作業を動画と文章をもって行いました。何せ私自身の為にまとめたもので、破天荒な内容となっていますが、ご参考までに掲載しています。以下のリンクからご覧下さい。

参考図書としては、
・「原初生命体としての人間」 岩波書店
・「野口体操・からだに貞く」 春秋社
・「野口体操・おもさに貞く」 春秋社
いずれも、野口 三千三 著 (本人著作はこの三冊のみ)です。


【野口体操動画】
★一巡目もくじ★
【1】 ユラユラ ユルユル フワァー (野口体操→「ぶら下がり」) 【2】 正体を失う! (野口体操→「ぶら下がり」) 【3】 動きの中には『ゆるみ』があり『ゆるみ』が動きを生み出す 【4】 『ゆるみ』崩れ 流れ 動く (野口体操→「背中の百面相」) 【5】 からだバンジー (野口体操→「腕立てバウンド」) 【6】 一点逆立ち (野口体操→「ヨガの逆立ち」) 【7】 『四股の動き』(野口体操→「四股」) 【8】 『前突き!~☆』 (野口体操→「?」) 【9】 『お尻の妙なる響き』 (野口体操→「尻たたき」) 【10】 『膝で胸を打つ』 (野口体操→「むね打ち」) 【11】 『ゆ』のうごき(野口体操→「おへそのまたたき」)
★二巡目もくじ★
【1】+「肩凝り」  【2】+「骨」  【3】+「呼吸」  【4】+「自由自在」  【5】+「緊張と弛緩」  【6】+「理想・目標」  【7】+「不安・不安定・安心」  【8】+「姿勢・表現」  【9】+「知恵」  【10】+「満点」  【11】+「歪み」  【まとめ】+「これから」


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2020-01-01 : 野口体操 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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【1】 ユラユラ ユルユル フワァー (野口体操→「ぶら下がり」)

自己紹介でいつも困っています。
「セトジマさんは、何をやっている人ですか?」
「どんなお仕事してますか?」
先ずは、以下の動画を見て下さい。



これを実際にやって見せると、たいていの人がと云う顔をする。
ほとんどの人が、こんなからだの動きを見たことが無い。
だから、ダンスとかヨガとか気功や太極拳等等と、世間にはいろいろな分類があるけど、どこにも当てはまらない。

私のやっていること、ことばで説明できないので、ともかく動画で見てもらい、「こんなことしています!」と云うことにした。

出来るならば、動画を繰り返しよく見て、意味分類をさっさと急がずに、どんなが、動画のからだの動きの中から、感じ取られるか?試して欲しい。

それでも、解説なしは、とっても不親切だろうと思うので、書いてみる。
せっかくだから繰り返し見てね。

(1) からだがユラユラしっぱなし。
(2) 降りて行くときも、下り切った時も、起き上がってくるときも、動きに滞りが無く滑らか
(3) 操り人形の動きみたい。
(4) 足の裏が地面に吸い付くみたい。
(5) ぶら下がったときの上半身の動きは、氷嚢や水風船みたい。中身は液状かも。
(6) ユルユルで空っぽ
(7) が、よく動いてる。
(8) なんと言っても、リラックス。全身の力がよく抜けている。

私の、オリジナルの動きではないことは、明らかにしておきたい。
1981年から1990年代にかけて、野口体操教室と竹内演劇研究所で、野口三千三先生と池田潤子先生に付いて、私が学んだもの。
原点は「野口体操」である。
ただし、野口体操というシステムや技法があるわけではないので、私は野口体操の指導者として看板を掲げるつもりは無い。
私は、私の身をもって実践してきた様々なからだの動き・動作・行動・表現を自分のこととして、語っていく。

YouTubeに動画を沢山載せたけど。動画への記事はこちらに掲載です。


【野口体操動画】
★一巡目もくじ★
【1】 ユラユラ ユルユル フワァー (野口体操→「ぶら下がり」) 【2】 正体を失う! (野口体操→「ぶら下がり」) 【3】 動きの中には『ゆるみ』があり『ゆるみ』が動きを生み出す 【4】 『ゆるみ』崩れ 流れ 動く (野口体操→「背中の百面相」) 【5】 からだバンジー (野口体操→「腕立てバウンド」) 【6】 一点逆立ち (野口体操→「ヨガの逆立ち」) 【7】 『四股の動き』(野口体操→「四股」) 【8】 『前突き!~☆』 (野口体操→「?」) 【9】 『お尻の妙なる響き』 (野口体操→「尻たたき」) 【10】 『膝で胸を打つ』 (野口体操→「むね打ち」) 【11】 『ゆ』のうごき(野口体操→「おへそのまたたき」)
★二巡目もくじ★
【1】+「肩凝り」  【2】+「骨」  【3】+「呼吸」  【4】+「自由自在」  【5】+「緊張と弛緩」  【6】+「理想・目標」  【7】+「不安・不安定・安心」  【8】+「姿勢・表現」  【9】+「知恵」  【10】+「満点」  【11】+「歪み」  【まとめ】+「これから」


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【2】 正体を失う! (野口体操→「ぶら下がり」)

スローモーションではない。
実写速度で撮影している。
でも不思議なくらい、ゆっくりとした動きに見える。



見ていると、氷河や流氷が崩壊するとき、氷山の末端から大きな氷塊が剥れ、崩れて落下し海の中へなだれ落ちる。あの巨大な落下の動きの感じを思い出してしまう。

あるいは、ダイナマイトによるビルの解体作業の光景。巨大建造物が、発破により土台を薙ぎ払われ、一瞬宙に浮き、その後、落下を始め、自らの重さによって基底から粉々に崩れ落ち、粉塵噴煙を舞い上げる、あの感じ。

云うなれば、突然支えを失ったものが、今までの在り様に思いを残しつつ、それでも自らの重さに堪(こら)えきれずに、自重で落下して行く、悠々としたあの感じだ。

私の意識は、こんな動きをしようと、イメージやポーズを思い描きながら動いているわけではない。立ったまま凝固しているからだの内側全体のつながりを、ほんの少し左右に揺らして緩める。ゆるめながら僅かに腰を後ろにずらすと、下半身の支えを失なった上半身は、崩れて落下し始める。 あとは上半身の(中身が?)崩れ落ちるに任せて、成り行きを見守るのみ。

中学校陸上部で、私がこれをやって見せたときのこと、「先生がいなくなっちゃった!」と生徒の一人が言っていた。見事な感想だ。「正体を失う!」動きである。


【野口体操動画】
★一巡目もくじ★
【1】 ユラユラ ユルユル フワァー (野口体操→「ぶら下がり」) 【2】 正体を失う! (野口体操→「ぶら下がり」) 【3】 動きの中には『ゆるみ』があり『ゆるみ』が動きを生み出す 【4】 『ゆるみ』崩れ 流れ 動く (野口体操→「背中の百面相」) 【5】 からだバンジー (野口体操→「腕立てバウンド」) 【6】 一点逆立ち (野口体操→「ヨガの逆立ち」) 【7】 『四股の動き』(野口体操→「四股」) 【8】 『前突き!~☆』 (野口体操→「?」) 【9】 『お尻の妙なる響き』 (野口体操→「尻たたき」) 【10】 『膝で胸を打つ』 (野口体操→「むね打ち」) 【11】 『ゆ』のうごき(野口体操→「おへそのまたたき」)
★二巡目もくじ★
【1】+「肩凝り」  【2】+「骨」  【3】+「呼吸」  【4】+「自由自在」  【5】+「緊張と弛緩」  【6】+「理想・目標」  【7】+「不安・不安定・安心」  【8】+「姿勢・表現」  【9】+「知恵」  【10】+「満点」  【11】+「歪み」  【まとめ】+「これから」


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【3】 動きの中には『ゆるみ』があり、『ゆるみ』が動きを生み出す

この動きの最中の、私の意識の在り様をたどって見る。



(1)上半身が降り始める直前、立ったまま目を閉る
(2)直立のまま、左右の足裏交互に、わずかに踏み変えると、からだ全体が『ゆるみ』、地面から波が立ち昇るように揺れはじめる。
(3)腰をほんの少し後ろに引くと、支えを失った上半身は、腰→腹→胸→首→頭の順番で、重力によって
落下していく。(このとき、足・脚・肢並びに各関節は、からだ全体の姿勢の変化を妨げぬよう、ゆるんでいる。上半身が下降するに連れて、腰が高い位置へと移動する。腕は重力に任せてぶら下げておく。)
(4)上半身が下りきったところで、さらに足の裏で左右交互に地面を踏みかえると、動きにつられて膝がわずかに屈伸し骨盤が様々に傾きを変える。この変化が重力に任せて釣り下がった上半身に波状に伝わる。
(5)上半身の力が充分に抜けて重力に任せてぶら下がり、下半身の背面が充分に引き伸ばされて、からだ全体の感じががゆらゆらと『ゆるみ』きったところで、膝を前方に曲げる。腰の位置がわずかに下がることで、足の裏で地面を押す形になり、地面からの反動で、足→脚→膝→肢→腰→腹→胸→首→頭の順番で、下から順々に積み上がるようにして、立ち上がってくる。
(6)立ちきったところで、足の裏を小さくやわらかく踏みかえ、地面から立ちのぼる『ゆるみ』の感じに任せて立ちきる。からだ全体の感じを視野に入れたまま目を開く

赤文字の箇所のみ、私が意識的にからだを操作しているところである。後はからだの『ゆるみ』の感じに任せていれば、地球の重力に導かれて、姿態は自在に変化を遂げる。
ただし、「からだを降ろさなければ!」「からだを揺らさねば!」等々、「~しなければ!」と意識が命令を下すと、そのとたんにからだに力(緊張)が入り『ゆるみ』(の感じ)が消え去ってしまう。
動きの途中で力が入ったことに気がついたら、それをゆるめ、常に『ゆるみ』の柔らかさ、安心感、心地よさ気持ちよさの中に、浸され包まれたまま、からだの変化の成り行きに身を委ねる(自然に任せる)。
意識はそれを見守ること、余計なちょっかいを出さないこと。コツといえばコツかもしれない。

『ゆるみ』は全ての動きの前提である。『ゆるみ』があるから自在に動くことが出来る。何か物事がうまくいかないとき、うまくやれないとき、からだの緊張を解いて『ゆるみ』をとりもどしてから、再チャレンジ!案外うまくいくかも知れない。

『ゆるみ』(の動き)と名付けようと思う。YouTubeに掲載した動きを、Blogを利用して、一つ一つ確認する作業を始めたところだが、その全ての動きを包括するには、『ゆるみ』と云う名称がふさわしいと思う。
どの動きも、その最中に私が意識を集中しているのは、からだのゆるんでいる感じ=『ゆるみ』である。
『ゆるみけーしょん』で総称して、からだの動きに関しては『ゆるみけーしょん体操』とでもしようかな?


【野口体操動画】
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【1】 ユラユラ ユルユル フワァー (野口体操→「ぶら下がり」) 【2】 正体を失う! (野口体操→「ぶら下がり」) 【3】 動きの中には『ゆるみ』があり『ゆるみ』が動きを生み出す 【4】 『ゆるみ』崩れ 流れ 動く (野口体操→「背中の百面相」) 【5】 からだバンジー (野口体操→「腕立てバウンド」) 【6】 一点逆立ち (野口体操→「ヨガの逆立ち」) 【7】 『四股の動き』(野口体操→「四股」) 【8】 『前突き!~☆』 (野口体操→「?」) 【9】 『お尻の妙なる響き』 (野口体操→「尻たたき」) 【10】 『膝で胸を打つ』 (野口体操→「むね打ち」) 【11】 『ゆ』のうごき(野口体操→「おへそのまたたき」)
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【4】 『ゆるみ』 崩れ 流れ 動く (野口体操→「背中の百面相」)

「タユタイ ウネリ タダヨウ」と名付けたこの動き。まさに『海』である。進化の過程で、海洋の環境をからだの内部に包容し陸に上がって来た生物の、先祖(海)帰りの動きかも知れない。


これ(ヨツバイのうごき)も、皆の前でやって見せるとひどく驚かれる動きだ。「!?」・「不思議!」・「やわらかい?」と、見ている人達の息を呑む雰囲気が伝わって来る。私も自分のこの動きを見るのは初めて。

(こんなに手軽に自分の姿を撮影して見ることが出来るなんてなにやら「!?」なのだが!?これ携帯電話で撮影)

この動きを見て、私も驚いた。胴体の柔らかさと軽さ。変幻自在の動きは、まるで海中の軟体動物のように柔らかい。けれども液状の変化につきものの粘度(ねばり)がない。かと云ってサラサラでもない。むしろ、軽くてあっさりとした質感とでも云おうか。「柔らかさ」と「軽さ」を同時にもつ動きは、他のものでは喩え難い。

他のもので喩えられないので、その感じを『ゆるみ』と名付けた。

この動き、こんな格好をしてやろうと、意気込んで(意識して)やっているわけじゃない。

先ずは、腕二本・肢二本の合計四本を柱にして地面に垂直に立てる。この柱にハンモックをかけるように、胴体を吊り下げる。

四本の柱が垂直にバランスよく立っていると、姿勢を維持する筋肉の緊張はほとんど必要が無くなる。とくに胴体は姿勢を保つための緊張からまったく開放されて、ハンモックやロープのように柱の間に吊り下げられ『ゆるみ』垂れ下がる、ちょっとの風や、押しやる力でユラユラと揺れ始める。

一人で動くときは、充分にからだを緩めた状態で、ほんの少しバランスを崩してやると、からだの中身が流動し始める。ある方向に流れ行くに任せておくと、からだ全体のバランスが崩れる手前で、バランスをとりもどす方向への動きが返ってくる。そして新たなバランス地点を通過して、また何処へかと流れ行く。からだの流れはあらちへこちらへと、風の吹くまま気の向くままに、行ったり来たり。水平方向だけでなく、鉛直方向(地球の中心方向)に向かって流れれば、反動で天に向かって流れ行く。変幻自在・自由自在な動きとなる。タユタイ ウネリ タダヨウ。

判り易いところでは、象の歩み行く姿・スプリンターの走る姿等々、動物の動きは流れによってバックアップされている。流れはバランスが崩れることで始まる。バランスが崩れるためには『ゆるみ』が必要である。『ゆるみ』は動きの母胎である。こえ(発声)もこの流れの顕在化したものである。

意識とその指示による筋肉の緊張の役割は、流れのコントロールにある。このことはまたの機会に。ともあれ、動くときには、筋肉の緊張に意識を使うのではなく、からだの『ゆるみ』意識を向けて見て欲しい。動きの楽しさが脹らんでくるかも知れ無い。

自由とはからだの内なる自然の流れに身を任せることか!


【野口体操動画】
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【1】+「肩凝り」  【2】+「骨」  【3】+「呼吸」  【4】+「自由自在」  【5】+「緊張と弛緩」  【6】+「理想・目標」  【7】+「不安・不安定・安心」  【8】+「姿勢・表現」  【9】+「知恵」  【10】+「満点」  【11】+「歪み」  【まとめ】+「これから」


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プロフィール

瀬戸嶋 充

Author:瀬戸嶋 充
声の産婆師。身体表現・身体コミュニケーション指導者。演出演技指導者。
1981年 竹内敏晴氏・野口三千三氏に師事。1984年 竹内演劇研究所レッスンスタッフ。1988年 人間と演劇研究所設立、からだとことばのレッスン・野口体操・演劇教室を指導。
その他、教育・医療・福祉・公民館等の現場に於いて、身体ワークショップや舞台上演を多数開催。
現在は、「身体・声・言葉」について、演劇の範疇をこえて、レッスンの場を広げている。
草野心平・宮澤賢治の詩と物語を愛す。

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