人間・演劇・からだとことばのレッスン(竹内敏晴)・野口体操(野口三千三)の研究と実践、ワークショップの開催、草野心平・宮澤賢治作品朗読劇制作・身体・声・心・言葉・朗読・身体表現

【姿勢・表現】+【8】 『前突き!~☆』

 【姿勢・表現】

からだは勢いの通り道である。す(素)のかたち(形)を姿と云う。
勢いに充ちた、そのひとならではの表現を、姿勢と呼ぶ。

『四股の姿勢』から、わずかに腰を落とす。全体重が地面にかかり、両足の裏から反動が帰って来る。腰を持ち上げずに堪(こら)えれば足腰に力が充ち、反動の勢いは、からだの内側を立ち登り、肩を通じて腕を抜けて指先から迸(ほとば)しり出て外部(の対象)に向かう。勢いの通り過ぎた胴体は空っぽとなり、肩から先の腕は吹き流しのようにフワリと落ちる。


指先が突き出された瞬間に、からだ全体が静止しているのが分かるだろうか。一瞬ではあるが、大地に根を下ろしたようにからだ全体に力が充ちたまま静止している。この瞬間、指先から外部へと迸る勢いに拮抗する力が、からだ全体を充たしている。

からだ全体の表情からは、曖昧さや不透明さ・だらしなさが払拭され、からだ全体の輪郭がはっきりと立ち上がってくる。この在り様を舞台用語では、『からだが決まる』と云う。能舞台での演者はこのように、からだ全体に力を満たした状態で演技をしなければならない。これも舞台用語をつかえば、『からだの集中の次元が高い』状態と云う。

演劇に限らず、表現するということの基本は、自分の内側に在る感情やイメージを、他者に向かって顕(あらわ)にすることである。とくに自らのからだ=こころの深みに潜む、高いエネルギーをもった感情やイメージを外部に向かって表現することが求められるときには、それに拮抗して自己を支えるからだ全体の力が必要になる。

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『前突き』の動きには、自己を表現するためのからだの原理原則が含まれている。
自分の内側を表現しようとするなら、表現(行動)の対象にに向かってからだ全体でもって集中すること。
そして自分の深みを表現するならばその内容のもつ勢い(エネルギー)に拮抗するだけの力を、からだが持てなければならない。
表現の通り道としてのからだは緊張によってその通路が閉ざされることの無いように、日常的なからだの自己イメージを超えて大きく広く支えられ、開け放たれていなくてはならない。

そのためには集中への準備段階として、からだ全体が変化に対して自在に動き対処できるよう、緊張を『ゆるめて』解きほぐしからだの感覚を研ぎ澄ませておかねばならない。

結論を少々急ぎすぎ、舌足らずかも知れないが、、、、「真実本当の自分を表現したいと思うならば、日常的な力ずくの表層的な頑張りでは到達できない、より深い次元でのからだの集中が求められる。表現をする喜びと開放感はここにある。」と、私は思っている。


【野口体操動画】
★一巡目もくじ★
【1】 ユラユラ ユルユル フワァー (野口体操→「ぶら下がり」) 【2】 正体を失う! (野口体操→「ぶら下がり」) 【3】 動きの中には『ゆるみ』があり『ゆるみ』が動きを生み出す 【4】 『ゆるみ』崩れ 流れ 動く (野口体操→「背中の百面相」) 【5】 からだバンジー (野口体操→「腕立てバウンド」) 【6】 一点逆立ち (野口体操→「ヨガの逆立ち」) 【7】 『四股の動き』(野口体操→「四股」) 【8】 『前突き!~☆』 (野口体操→「?」) 【9】 『お尻の妙なる響き』 (野口体操→「尻たたき」) 【10】 『膝で胸を打つ』 (野口体操→「むね打ち」) 【11】 『ゆ』のうごき(野口体操→「おへそのまたたき」)
★二巡目もくじ★
【1】+「肩凝り」  【2】+「骨」  【3】+「呼吸」  【4】+「自由自在」  【5】+「緊張と弛緩」  【6】+「理想・目標」  【7】+「不安・不安定・安心」  【8】+「姿勢・表現」  【9】+「知恵」  【10】+「満点」  【11】+「歪み」  【まとめ】+「これから」


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2011-12-19 : 野口体操 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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プロフィール

瀬戸嶋 充

Author:瀬戸嶋 充
声の産婆師。身体表現・身体コミュニケーション指導者。演出演技指導者。
1981年 竹内敏晴氏・野口三千三氏に師事。1984年 竹内演劇研究所レッスンスタッフ。1988年 人間と演劇研究所設立、からだとことばのレッスン・野口体操・演劇教室を指導。
その他、教育・医療・福祉・公民館等の現場に於いて、身体ワークショップや舞台上演を多数開催。
現在は、「身体・声・言葉」について、演劇の範疇をこえて、レッスンの場を広げている。
草野心平・宮澤賢治の詩と物語を愛す。

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